住宅設計で大切にしていること
日常生活に寄り添うような普通さの美が住まいには大切だと考えます。その中にあって全体の調和と端正さを感じられるように。
また人の手によって作られたものならではの素材感や手触りを感じ取れたり、時を経て味わいが増すような住宅を作りたいと思っています。
庭をはじめとする外部と室内空間との繋がりも重要な設計の要素です。四季を感じられる住まいにすることによって、住空間はぐっと豊かなものになります。
小さくても庭や植栽のための場を計画の中に盛り込んだり、吟味してあけた窓によって景色を切りとったり。
日々刻々と変わる自然の姿が室内に映りこむことは、住まい手に季節を知らせ、暮らしに潤いをもたらしてくれるはずです。
そのためにも、建物だけでなく周辺環境をきちんと読み込んだ上で、庭や植栽計画、外構計画を含め敷地全体を考えるようにしています。
開口部の位置や大きさはとても重要で、丁寧に設計したいところです。閉じるべきところは閉じて外部の視線から暮らしを守り、
外部に対しても配慮のある開き方をしたいと思います。
外からの目と内からの目、建物から見る街並みと街並みから見る建物、
その両方を行ったり来たりしながら計画を整えていきます。
そして、さまざまな生活の場面や行為を思い描き、数ミリ数センチの検討を重ねる一方で、
暮らしの変化やその時々の要求を受け止められる大らかで包容力のある住まいを作りたいと思っています。